2008-01-01から1年間の記事一覧

あっと言う間に

10月です。まだ本調子でない人もいるかもしれませんが、気を引き締めて参りましょう。後期も授業後のこちらへの書き込みをお忘れなく。

何を隠そう

このコメントブログがこれほどまでに活性化するとは予想していませんでした。これは嬉しい誤算(笑)。私の本気に皆さんが本気で応えてくれたということなのでしょう。皆さんの反応を確かめながら次のトピックを探していく自転車操業の作業は勿論大変ですし…

注文の多い文学史

だったと思います。情報量も相当に多かったので、復習がどうしても必要になってくる。でも、コメントを拝読すると、皆さんそれぞれに「知識が増えていく楽しさ」や「新しい視野が開けてくる喜び」を味わうことができたようですね。それは、わたしにとって何…

前期ラスト!

皆勤の皆さま、よくがんばりました。そうでない皆さまも、それなりに。でも、間違いなくわたしが一番頑張った(笑)。というわけで、今回は本日の感想と前期受講してどのようなことを感じたか、二つのトピックでお書き下さい。どうぞよろしく。

日記文学の面白さ、そして難しさ

文学作品においては多かれ少なかれ当てはまることですが、とりわけ日記文学には書き手の社会的立場やジェンダーが反映されるものだと思います。ことに女房日記においては。そこが面白いところでもあり、研究対象としては難しいところでもあるのでしょう。鑑…

「建」礼門院

ですよー。「健礼門院」と覚えているみなさんは、くれぐれもお書き間違えのなきよう。

もう文月!

そろそろ夏休みへのカウントダウンを始めている人もいるのでは?でも書き込みはお忘れなく。

6月も終わり

前期もあと2回を残すだけとなりました。こんなことなら補講を入れれば良かったかな・・・という冗談はともかく。この大盛り特大ライスおかわり自由な講義で、「中世」という時代へのイメージもずいぶん変わってきたのではないでしょうか(笑)。

少し気が早いですが

出されている質問へのお返事など。 20711131ヒラツカさん 「屏風歌」の方が例は多いですが、「障子歌」も珍しいものではありません。たとえば、摂関家の女子が入内する際の嫁入り道具(というか調度品)として障子和歌を誂えるとか、そういった晴のイベント…

忘れた!

『松浦宮物語』や『物語に百番歌合』のような話をしたのは、確か前回にお配りした田中洋己氏「藤原定家の本歌取一面」(資4-1,2)と、本日の田中幹子氏「『新古今集』と物語―『伊勢物語』『源氏物語』を中心に」(資2-1)とからめて考えたいと思ったからでし…

いよいよ

前期も残り僅かになってきました。前期のレポートは思いつきで書けるようなたぐいのものではありません。今のうちから、少しずつ資料集めを始めておかれることをおすすめしておきます。

その前に、夏期課題

次に掲げる人物の中から一名を選び、「政治と文学」もしくは「宗教と文学」いずれかの観点から論じなさい。 藤原顕輔 後京極良経 土御門通親 守覚法親王 慈円 和歌大辞典やWikipediaなどの解説をまるまる引き写したり、単行本一冊読んで済ませたりせず、各自…

隠岐の後鳥羽院

20611126マクウチさん 流されたとはいえ、上皇。『源氏物語』須磨巻を思い出してもらえばおわかりのように、いわば軟禁状態であるというだけ。数少ない供の者(女房その他)とともに、源福寺境内に設けられた行在所にて、修行の日々を過ごしたといわれていま…

正治初度百首と鳥題

20711164ワタナベさん 百首歌で「鳥」題というのはそれ以前にはありません。この鳥題については興味深い論文があるので、次回補足資料をお配りする予定です。お楽しみに。

コンプレックス

20711123ハシモトさん 授業でも説明したように、京都の公家社会ではどうしても「事務手続き上の重要な機能としての天皇」が必要だったので、後白河の院宣というのを錦の御旗に後鳥羽を即位させたわけです。ですので、非難というより「イレギュラーなんだけど…

「後鳥羽院」という追号

20711111ナカアキさん 「後鳥羽院」は「後の鳥羽院」という意味。「Toba the 2nd」という感じでしょうか。追号には 1在所号 a.地名 b.宮・邸宅名等 c.寺名 2山陵号 3加後号 などがあります。鳥羽院は1のbすなわち譲位後に鳥羽殿を御在所にしたため「…

中だるみ?

今回は人数少なめ。コメントもいつもより少ない感じです。そういう時期なのかも知れませんが、わたしはそんなことにお構いなしにガンガン進めますよ(笑)。

後鳥羽院

俊成の次に定家・・・といかずにいきなり後鳥羽院(笑)?まあ、それなりの思惑があったりなかったりもするわけで。この人もおじいさまに負けず劣らず波瀾万丈の人生で、しかもおじいさま譲りの激しいキャラだったようですね。こうしてまた、トリビアな知識…

マザコン定家

異父兄弟である隆信と定家は、共通の母親(というのも変な言い方ですが)である美福門院加賀の死を悼んで歌のやりとりをしています。ここで『隆信集』をみてみましょう。 ははに侍りし人、こころざしはかたみにおろかならずながら、中将なりいへ、さだいへな…

美福門院加賀

歌壇の重鎮藤原俊成をメロメロ(死語)にした女性。あそこまで想われるなんて女冥利に尽きるとわたしも羨ましく思います(笑)。 例の俊成の まれにくる夜半も悲しき松風を絶えずや苔のしたに聞くらむ と定家の たまゆらの露も涙もとどまらずなき人恋ふる宿…

念のため*

他の講義でも申し上げていますが、わたしはこのコメント欄への皆さんの書き込みを以て出席点+平常点にカウントしています。ですので、たとえ毎回出席していたとしても、書き込みがなければそれは欠席と同じ扱いです。無断欠席が多くなれば当然のことながら…

試行錯誤

この辺りの文学事象は俊成・定家そして後鳥羽院というキーパーソンの動きを見ていかないとお話になりません。それぞれが相当に濃いキャラでしかもお互いに密接に絡んでいるので、いつもどうやって話を進めていけばいいのか悩むところ。わたしが授業で扱える…

歌合の変貌

『六百番歌合』、お楽しみいただけたようで何よりです。歌合については萩谷朴編『平安朝歌合大成』や峯岸義秋著『歌合の研究』などの大著がありますので、ご関心のむきはそちらを是非ともお読みいただきたいのですが(あまりにヴォリュームがありすぎて授業…

歌合はバトルだ!

ということで、『六百番歌合』の続きです。今を去ること20年近く前、学部の中世文学演習で一番最初に読んだのがこの『六百番歌合』。発表の準備はそりゃあもう大変でしたが、中世という時代の面白さを教えてくれたのもこの作品なので、少なからぬ思い入れが…

地獄絵

20511130ムトウさんが挙げてくださった『枕草子』の一節。あれが平安時代の貴族の平均的な感覚だったようです。この時代の浄土信仰は、言い方は悪いですが、「お金を出せば極楽へ行ける」的な要素が強かった(宇治平等院などを思い起こしてください)ので、…

『西行絵巻』

20411090スズキさん うっかり忘れていました。申し訳ない!最初にお見せしたサントリー美術館蔵の絵巻では、西行が娘を縁の下に蹴落としているところと、西行が出家の決意を妻に語っているところが同じ場面に描かれていました。これを「異時同図法」と呼びま…

「地獄ゑを見て」

20711123ハシモトさん おっ、なかなか鋭い質問ですね。 1916 なほたのめしめぢがはらのさせもぐさ我がよの中にあらむかぎりは 1917 なにかおもふなにとかなげく世中はただあさがほの花のうへの露 このふた歌は清水観音御歌となんいひつたへたる (『新古今和…

「心」

20511601コウノさん 実は歌論用語において、「心」は普通名詞としての「heart」ではなく、「着想・発想・意味内容」などを広くあらわす言葉。俊成もその意味で「心深し」(着想が良い)と言っているのです。歌論においては「心」と「詞」(言語表現)が対に…

いささか

「情報のカオス」的な様相を呈しつつある今日この頃ですが、時間との闘いなので、これでもイイタイコトの半分ぐらいしかお示ししていません。消化不良を起こさないようにちゃんと整理しておいてくださいね。では、本日もコメントをよろしく。

『千載集』と『御裳濯河歌合』

勅撰集への入集に命を賭ける西行からの猛烈なプッシュに些かムッとしているの俊成の姿。これは『御裳濯河歌合』の序文や判詞をよく読むとよくわかります。『千載集』入集の西行歌についてのエピソードで俊成にがっかりした人もいるようですが(笑)、「幽玄…