2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

平安時代の歌合

遊戯的な性格が強いと指摘しましたが、単に歌の勝ち負けを競うばかりでなく、衣装、焚き込める香、飾りとして用意される州浜その他のグッズなど、いわば美的センスを競い合うゲームという意味合いが強かったようです。平安時代に数多く行われているこうした…

歌合について知りたいあなたに

一番の基本文献は、授業でも言及した峯岸氏の『歌合の研究』です。活字が古くて読みにくいものではありますが、ご関心の向きは是非読んでみてください。どのように行われたかがかなり詳細に記されていますよ。中古文学を勉強したいと思っている人は、萩谷氏…

俊成の子供たち

授業でも触れましたが、いささかの捕捉を。美福門院加賀は藤原為経の妻としてその間に隆信(似絵の達人。神護寺蔵の源頼朝像は歴史の教科書で見たことがある人も多いのでは?建礼門院右京大夫と恋愛関係にあったことも)をもうけましたが、為経の家後、俊成…

俊成の歌

個人的には定家の「これでどうよ!」的技巧を凝らした歌より(いずれ説明します)、俊成の歌の方が魅力的だと思います。こちらで俊成の歌を何首かじっくりと鑑賞していますので、是非ご一読を。後鳥羽院が高く評価したのも頷けるだろうと思いますよ。

文学史関係図

最初にお見せしたような関係図、是非皆さんも書いてみて下さい。最初はいろいろ試行錯誤するだろうと思いますが、あーでもないこーでもないとやっているうちに、なんとなく後白河時代の文化史が見渡せるようになってくるはずです。手を動かすことって大切な…

西行絵巻を見たい

こういうご要望もありましたので、地獄絵と一緒にご紹介。 西行物語[絵巻] 大和絵同好会 1927<<Wa O.S./721.2/Sai>> 日本絵巻大成 / 小松茂美編(26) 中央公論社 1979.5<<O.S./721.2/Nih/26>> 続々日本絵巻大成−伝記・縁起篇/小松茂美/編(3)中央公論…

地獄絵を見たい

怖い、痛そうだ云々という声が多かった地獄絵ですが、もっと近くで見たいという剛の者もいるようですので、図書館の資料を掲示しておきます。関連して往生要集や日本人の地獄・極楽観についての参考図書も。後白河院が『地獄草紙』を作らせたという話を以前…

それから

今日、書画カメラで地獄絵を見せていた時にひたすらおしゃべりしていて、あとで院生から注意されたお嬢さん。私が注意しなかったのは、授業の進行を中断させないためのやむを得ない措置ですから、気付いていなかったなどと勘違いしないように。こちらは真剣…

ただいま

つい先ほど某研究会から帰宅しました。授業の準備をするのは当然ですが、本業の自分の勉強もちゃんとしないといけませんからね。そんなわけで、皆さんからの「今日のひとこと」へのコメントがまだ途中。こちらへの書き込みは明日以降になりそうです。平にご…

せっかくなので

この本をご紹介。崇徳院について興味がある方は是非ご一読を! 崇徳院怨霊の研究 / 山田雄司著 思文閣出版 2001.2<</288.41/Yam>>

崇徳院と天狗

この点について関心を持った人が多いようですので、簡単にご説明。 讃岐に流された崇徳院は、保元の乱を起したことへの反省と死者への供養のため三年かかって五部大乗経(『華厳経』『大集経』『大品般若経』『法華経』『涅槃経』の五経典。これを書写するの…

西行についてもっと知りたい、歌をもっと読んでみたい

大学の図書館にあるもので、比較的読みやすそうなものをピックアップしてみました。いろいろな作家が思い入れたっぷりに語っているので、読み比べてみるのも面白いですよ。ちなみに私が一番最初に読んだのは高橋英夫氏の『西行』(岩波新書)です。 西行の風…

さればよ

そろそろ出るかなと思っていた質問が見受けられましたので、まずはそちらから。 教科書はどうやって使うの? ええっと。何年か前の某とある私の授業に関して「あの先生は教科書を買わせて全然使わない」という書き込みを某とあるインターネット匿名掲示板に…