2008-01-01から1年間の記事一覧
モトキさん 文の積極的活用が阿仏尼の真骨頂だったともいえるでしょう。本当は『乳母の文』(これも相当面白い)も丁寧に読みたかったのですが、タイムアウト。目を通しておいてくださいね。 ヨシダさん 手ずから髪を切っても、飾りを落とすことにかわりはな…
ゴールまであと一息です。阿仏尼(について書かれた田渕さんの論文)を通じて、後嵯峨院時代の空気が掴めたのではないでしょうか。よく復習しておいてくださいね!
軍記物語に殊の外時間を割いてしまったため、かなり駆け足になってしまいますが、後嵯峨院時代の文学にようやく漕ぎつけました。この時代の掉尾を飾るのはもちろん『とはずがたり』。でも、阿仏尼もいるし弁内侍だっている。女房文学が華やかなりし最後の時…
年内の授業も残すところあとわずか。4月に考えていたところまでとてもたどり着けそうもないことが明々白々で、少々残念ではありますが、せめて後嵯峨院時代の文学ぐらいは・・・。中世文学史を1年で終わらせるためには、週2コマが必要です(涙)。
八丈島に流されて大暴れした為朝ですが、江戸時代になると疱瘡除けの神様として信仰されるようになります。こんな絵も残っているほど。八丈島は本土から遠く離れていたので、本土で流行した疱瘡が飛び火することはなかった。それが、「為朝がこの島の疱瘡を…
まだ軍記物語で足踏みしているなんて!12月は3回しかないのに!と焦る気持ちもないわけではないのですが、ここで慌ててみても致し方ない……というか手遅れ。とにかく行けるところまで行く、ぐらいのつもりで開き直ってまいりましょう。
>20411090 スズキさん よく、「京都で"この間の戦争"といえば、"太平洋戦争"ではなく"応仁の乱"のことだ」と言われます。そして、それはあながち冗談でもなかったりするのです。1467年に勃発した応仁の乱のことをリアルで知っている人などいるはずがありま…
この両者の関係はかなり重要です。なぜ、先週から『愚管抄』や『六代勝事記』の話をマクラに話をしてきたか、個々の作品を具体的に見ていくとつかめてくるはず。
「文学と歴史は不可分」というのは、今までの授業の内容で、皆さんよおっくおわかりかと思います。この辺からいよいよ本格的に文学と歴史が切り離せなくなって来ます。承久の乱・両統迭立・南北朝といった歴史上の出来事と文学が、実に密接に関連していくの…
>20611139ヤスイさん 『沙石集』の中でも有名なこの話、狂言「附子(ぶす)」の元ネタですね。『沙石集』は相当読まれたらしく、落語のネタ本などにもなっているのです。無住も喜んでいることでしょう。 ここでひとつ『沙石集』の説話を挙げてみましょう。 …
「よくも恥をかかせたな」と責める相応、気まずくてそっぽを向く不動明王。なんだか4コママンガになりそうな話ですが(笑)、これには理由があるのです。相応(831〜916)は、比叡山無動寺と葛川明王院の開基。千日回峯行(比叡山を一日に一周、千日間歩き続…
説話はおしまい。いろいろな説話集に触れることで、それぞれの違いも見えてきたことと思います。20511130ムトウさんがおっしゃっているように、来年度は説話集で演習やってもいいかなとちょっと考え中です。もっとも、受講者がいるかどうかは??ですが(笑…
例年以上に説話に時間を掛けすぎたきらいが。名残は惜しけれど、そろそろペースアップしていかないと、キリの良い所までたどり着きません。まだまだお話ししなくてはならないトピックてんこ盛りなのですから。配布物はみなさんの方でちゃんと目を通しておい…
>20711123 ハシモトさん・20511505 トリウミさん 「鬼」はもともと目に見えない存在だったのですが、『往生要集』や地獄図の影響などを受けながら、絵画的なイメージが形成されていったと考えられています。目に見えないものといえば、物の怪や怨霊などもそ…
わたしは説話も和歌も専門ではないので、あの岡田論文がどの程度妥当性があるのかについての判断材料を持ち合わせてはいません。しかし、非常に面白い視座を提供してくれていると思います。 >20711164 ワタナベさん 木樵は賤しい身分ではありますが、『和漢…
>20611077 ダテさん・20711089 スズキさん 誰もが高校の頃いやいや覚えさせられたに違いない古典文法や敬語などは、古典文学を読むためにどうしても必要なツールでなのです。「なんとなくわかる」では、作品の本質に迫ることはできません。わたしも高1のと…
>20711058 コヤさん 『十訓抄』、早速読んだのですね。あの清盛像はちょっと意外でしょう。「部下思いの優しい立派な人で、そうした清盛の情けに多くの人が心を寄せた」だなんて、上司にしたい男・長塚京三風味(笑)。こういうところに十訓抄編者のスタン…
後期に入って、授業へのコメント数がぐーんと減りましたね。授業には出ていたはずなのに書いていない人もいる模様(逆もまた然り?)。授業が終わった段階で、昼休みのうちにさくっと書いてしまえば書き忘れもなくなるでしょうに。
さまざまな編者よって編まれた説話集もそれぞれに個性があります。授業ですべてを網羅するのは不可能ですが、その個性のほんの片端だけでも知ると、中世文学の世界が広がるはずです。
本日の講義でも申し上げましたが、ここのところ皆さんたるみ気味なのが目に付き、少々(いやかなり)不愉快です。前回『宇治拾遺物語』を当てて読ませるということは指示していたはずです。小学生ではないのだから、当てられてからがさがさレジュメを探しは…
ご関心がおありの向きは、こちらをご覧遊ばせ(笑)。あり得ない話ということで、個人的には『今昔物語集』巻第26-2「東の方に行く者、 蕪を娶ぎて子を生みたる語」なんかも好きです。こちらの現代語訳をご参照のこと。こういう「笑えるエロ」は気心の知れた…
目白祭期間中羽を伸ばしていた皆さんも(かく言うわたしも、はるばる厳島神社の能舞台まで能を見に行ってきました。一泊二日強行軍で)、目白祭で燃え尽きてしまった皆さんも、気合い入れ直して行きますよ。コメントはくれぐれもお忘れなく。
『法華経』提婆達多品の当該部分、読み下しで引用しておきます。 智積菩薩、文殊師利に問うて言わく、此の経は甚深微妙にして諸経の中の宝、世に希有なる所なり。頗し衆生の勤加精進し此の経を修行して、速かに仏を得るありや不や。文殊師利の言わく、有り。…
『方丈記』から復元された方丈の庵を見ると、「必要最小限」とはいいながら、長明がいかに多くのグッズを身の回りに置いていたかということがわかると思います。これは、悟りすました出家者の生活とは反対。以前「長明は好きな物に囲まれて、自足した生活を…
誰もが暗唱させられたに違いない、あまりにも有名すぎる冒頭部以外を読むことで、また違った世界が見えてくるはず。同じ時代を生きた慈円の『愚管抄』との比較をしてみるのも面白いですよ。
大部分の皆さんは〆切を守ってくれていますが。コメントをうっかり書き忘れたりすることがないように、くれぐれもお気を付けて。
以前、生協に何冊か入れてもらいましたが、売り切れてしまったのではないでしょうか。お入り用の方は生協で注文してみてはいかが?amazonでも買えますよ。NHKブックス 論文の教室 レポートから卒論まで作者: 戸田山和久出版社/メーカー: 日本放送出版協会発…
親を失った人間がいかに無力かということは、たとえば『伊勢物語』の23段「年ごろ経るほどに、女、親なくたよりなくなるままに、もろともにいふかひなくて あらんやはとて」云々からもわかりますが、定家を何かにつけてバックアップした俊成の姿を思い出せば…
20511505 トリウミさんが指摘して下さっているように、現代の価値観では「代々神官を勤める家の人間が世をはかなんで出家する」というのはちょっとおかしな感じがするのですが、そこはそれ、神仏習合。いかにも日本的な展開であるわけです。その出家遁世の次…
>20611077 ダテさん 授業中に言おうかどうしようか日和って(スルーされたら寂しいし)、誰か気がついてくれないかなーと密かに思っていました。よかったよかった。