慈円と木樵

わたしは説話も和歌も専門ではないので、あの岡田論文がどの程度妥当性があるのかについての判断材料を持ち合わせてはいません。しかし、非常に面白い視座を提供してくれていると思います。
>20711164 ワタナベさん
木樵は賤しい身分ではありますが、『和漢朗詠集』に「山路に日暮れぬ樵歌牧笛の声」とあり、「木樵の歌と草刈の笛」は風情あるものという認識があったのは事実です。『古今集』仮名序に「大伴黒主はそのさまいやし。いはば薪を負へる山人の花の陰にやすめるが如し」とされたところから、和歌の世界ではある種の風雅なイメージ(あくまでもイメージの世界の中で)を伴ってもいたようです。ただ、一般的には歌を詠む教養はなかったはず。