『詞花集』と西行

『千載集』の説明をしたとき、『詞花集』が同時代の歌人に冷淡だったという話はしたと思いますが、原則として同時代歌人の歌は一人一首しか入集させていないのです。『詞花集』の撰者は六条藤家の藤原顕輔。顕輔と崇徳院のみ複数首入集しているという、実にわかりやすい構図(笑)。ですので、西行が一首しか入っていないのは別に不思議でも何でもないわけです。それではなぜ「読み人知らず」とされたのか。これについてもそれなりの理由はあったようで、歌学書の中にヒントとなる事柄が書かれています。これについては次回の講義で少し詳しくご紹介するつもりです。