文学はみんなのもの

平家物語』諸本の多さに圧倒された人もかなりいたようですが、「『平家物語』に手を加えるということに罪悪感を感じなかったのか」的な質問をちらほら見かけました。この時代、今のような狭量な「著作権」的な意識はありません。もしそんなものがあれば、本歌取りだって成立し得ないわけですよ(笑)。そう、文学作品は世に出た瞬間から作者の手を離れて享受者全てのものになっていくのです。どのようにアレンジされてもよかったし、パクられてなんぼの世界。そのあたりが現代と一番大きな違いかもしれませんね。